水回りのリフォーム・リノベーションのガイド〜種類・費用・事例まとめ〜

リフォーム・リノベーションにおいて、家の水回りをどうするか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。キッチン・浴室・トイレ・洗面台といった水回りは家族が毎日使う場所であり、特に機能性や使い勝手が求められる場所でもあります。今回は「完全版」と題して、水回りリフォーム・リノベーションの費用相場や工期、注意点からお手入れ方法に至るまであらゆるポイントを紹介していきます。

水回りリフォーム・リノベーションの費用相場・工期について

まずは、水回り箇所別にリフォーム・リノベーションの費用相場と工期について見ていきましょう。

キッチンリフォーム・リノベーションの費用相場・工期

システムキッチンのリフォーム・リノベーションは、選ぶ製品のグレード感によって費用が大きく異なってきます。キッチンの一部のみを交換するのであれば30万円以内、ミニキッチンであれば全体交換であっても50万円以内でリフォームが可能。通常サイズのシステムキッチンを交換する場合、スタンダードグレードのもので50〜150万円程度が相場です。

キッチンリフォーム・リノベーションの工期は1〜2日程度が目安ですが、場所を移動する場合にはさらに多くの日数を要する場合もあります。

浴室リフォーム・リノベーションの費用相場・工期

浴室の工法としては一般的なシステムバスの他、築古物件で見られる在来工法があります。ユニットバスの交換であれば50〜150万円程度が相場です。在来工法からシステムバスへの変更となると相場はもう少し高め。工期についてもユニットバスの交換であれば4日程度ですが、在来工法からユニットバスへの交換は7日程度かかるのが一般的です。

洗面台リフォーム・リノベーションの費用相場・工期

洗面台も既製品のユニットを使うのか、造作で設置するのかによって費用感が異なります。ユニット洗面台を設置するのであればスタンダードタイプで10万円以内、ハイグレードタイプのものであれば20〜50万円程度でリフォーム可能。造作洗面台は使用するパーツごとに費用を見積もる必要があるため、参考としてユニット洗面台の費用感を把握しておくといいでしょう。工期の目安は約3日です。

トイレリフォーム・リノベーションの費用相場・工期

トイレのリフォーム・リノベーションは本体のグレード感の他、便座のみの交換なのか便器全体を交換するのかによって費用・工期が異なります。便座のみの交換であれば5〜10万円程度、便器全体の交換なら3〜21万円程度で工期は2〜3時間程度(内装も含めてリフォームすると8時間程度)が一般的。和式から洋式に交換するとなると2〜5日程度の時間を要するため、注意が必要です。

費用を抑えたいなら3点セット・4点セットも要検討

水回りリフォームでは、キッチン・浴室・洗面台・トイレの中から特定の箇所をまとめて工事する「3点セット」「4点セット」といったセットプランも見られます。原則メーカーや製品は業者側の指定となりますが、まとめて工事する分相場よりも安価でリフォーム可能です。水回りリフォームを安価に済ませたいという人は、こうしたセットプランを検討するのもいいでしょう。

水回りリフォーム・リノベーションのタイミング

水回りは毎日使う場所であるため、築年数が経過すれば次第に老朽化していきます。配管や設備の老朽化は漏水の原因となるので、問題が生じる前に更新することが大切。また、工事によって使えない期間が生じることを踏まえ、リフォーム・リノベーションのタイミングをしっかりと見計らう必要もあります。

設備更新の目安となる水回りの箇所別耐用年数は次の通りです。

・キッチン:15〜20年程度
・浴室:15年前後
・洗面台:20年前後
・トイレ:10〜15年程度

これはあくまでも一般的な耐用年数であり、実際には家の状況によって老朽化の度合いは異なります。家族のライフステージの変化によってリフォームが必要になることも考えられ、自宅や家族の状況を考えて適切にタイミングを判断するといいでしょう。

水回りリフォーム・リノベーションの落とし穴・注意点

水・電気を使う水回りは、設備更新にあたって制限が多い場所でもあります。水回りリフォーム・リノベーションを検討する際には、こうした落とし穴や注意点に気をつけなければなりません。

マンションでは場所移動できないこともある

戸建てであれば水回りも比較的自由に場所移動できますが、マンションの場合は管理規約で水回りの移動を制限している場合があります。マンションでは配管がパイプスペースの中を縦に通っており、そこから各部屋の水回りに配管を引っ張る構造になっていることが大半。構造上パイプスペースの位置を変更することは難しいことから、室内の配管も移動が難しく、結果として水回りも自由には移動できないというわけなのです。

工事や設備にも落とし穴がある

リフォームにあたっては、ハイスペックでデザイン性の優れた設備に更新したいものですよね。しかし、水道や電気設備の都合上、追加で工事が必要になったりコンセント増設が難しかったりする場合があります。必ずしも希望通りの設備を導入できるとは限らないのです。合わせて気を付けたいのが設備のサイズ感。水回りの既製品は規格化されているため、自宅のスペースに応じて選べる製品が限られるという点も注意が必要です。

DIYはできる?

水回りリフォーム・リノベーションはある程度費用がかかるため、DIYでコストを抑えたいという人もいることでしょう。そもそも水回りリフォーム・リノベーションでDIYは可能なのでしょうか。

結論から言うとリフォームの内容によります。例えばキッチン・トイレ・洗面台のクロス張り替え、フローリング張り替え、造作棚の設置など水が直接関係しない部分であれば、他の居室と同様にDIYすることが可能です。汚れや臭いが付きにくい素材、抗菌性の素材などを使用することで快適度もアップできます。

一方、配管の交換やキッチン・お風呂・トイレ本体の交換といった工事になると難易度が高いだけでなく漏水のリスクもあるため、基本的にDIYはおすすめできません。

業者選びのポイント

DIYできないとなると専門業者に依頼する必要があります。水回りリフォーム・リノベーションにおいて業者を選ぶ際には、次の5つのポイントを意識しましょう。

  • 希望する水回りのリフォーム実績が豊富であること
  • ヒアリングや現地調査をしっかりしていること
  • 業界団体に所属していること
  • 保証やアフターサービスがあること
  • 事務所が近隣にあること

まとめ

今回は、費用相場・工期といった基本から事例やお手入れ方法に至るまで、あらゆる角度から水回りリフォーム・リノベーションについて解説してきました。リフォームを考えるときにはどうしてもリビングや寝室などの居室に目が向きがちですが、家族全員が毎日使う水回りをどうするか考えることは、快適な住まい作りに欠かせない要素です。

この記事はもちろん、記事内で紹介した各記事も参考にして、自身や家族のライフスタイルに合った水回りの形を探ってみてはいかがでしょうか。